「ガスの事例に学べ」、災害時の連携体制構築で/電力強靭性

2018年11月22日

経済産業省の電力レジリエンスワーキンググループ(WG、座長=大山力・横浜国立大学教授)は14日、中間取りまとめを大筋で了承した。北海道の全域停電の検証結果などを踏まえ、電力の強靭性強化のための対策をパッケージ化した。災害時における多様な事業者の連携体制の構築や、自然  変動電源の耐震性強化などが中期対策として盛り込まれた。連携体制構築に向けては「ガス業界の事例を学ぶべき」との指摘が相次いだ。

中間取りまとめは、今後の対策パッケージのほか、電力広域的運営推進機関による北海道全域停電の検証結果や、政府からの指示を受けて大手電力各社が実施した火力発電所等の緊急点検の結果で構成。19日開催の電力・ガス基本政策小委員会に報告される。

対策パッケージは、即座に実行に移される「緊急対策」と、今後検討に着手する「中期対策」に分かれる。中期対策は、関連する審議会での議論などにより、来春までに一定の結論を出す。

停電復旧の事業者間連携については、現在も大手電力間で協力する枠組みはあるが、自由化により新規参入の発電事業者や小売事業者の存在感が高まる中、これら事業者も含めて速やかに広域的な応援体制を構築する仕組みを検討する。復旧作業のノウハウの共有化などにも取り組む。

これに対し、委員からは「ガスの事例を参考にすることが重要だ」(市村拓斗弁護士)といった指摘が相次いだ。電気事業連合会も「今年6月の大阪府北部地震の際には(大阪ガスが開発した)『復旧見える化システム』が非常に効果的だったと聞いている。参考にしたい」(稲月勝巳工務部長)などと述べた。

自然変動電源の耐震性強化も大きな課題だ。太陽光発電や風力発電には系統事故等により周波数が大きく乱れた場合に自動的に発電を停止する機能が具備されている。このため、9月の北海道胆振東部地震では直前まで約16万kWの電気を供給していた風力発電が発生直後に全て稼働を停止してしまった。

その反省から、発電継続が可能な周波数の範囲拡大などを検討する。蓄電池等と組み合わせることで、停電時も地域の再エネ電源を活用し続けるモデルの構築なども進める。

ほかに、北本連系線のさらなる増強や、一般送配電事業者が災害対応費用を確実に回収できる仕組みの考案、老朽化した火力発電所を活用し続けるための方策などが中期対策として盛り込まれた。

(「ガスエネルギー新聞」2018年11月19日付)