小中学校にGHPを 地方ガスが提案に注力

2018年07月27日

日本列島が猛烈な暑さに見舞われる中、子どもの熱中症予防として学校の空調設備に関心が集まっている。公立小中学校の空調設置率は年々、上昇しているものの、いまだ4割にとどまっており、さらなる対応が求められる。そうした中、ガス事業者各社は自治体に対し、小中学校等へのGHP設置を積極的に提案している。空調整備のネックは初期費用。今後は自治体の財政負担の軽減につながる整備手法も注目を集めそうだ。

省エネやピークカット訴求/財政負担を軽減する手法も

文部科学省はおおよそ3年に1度、公立学校の空調設備の設置状況を調査している。2017年4月時点の最新調査によると、公立小中学校(普通・特別教室)の全保有室82万532室のうち、空調(冷房)設備を設置しているのは41.7%の34万2267室だった。設置率は調査を開始した1998年度以降、右肩上がりで上昇しているが、いまだ半数にも至っていない。気温の上昇傾向等を背景に、今後も空調の設置に取り組む自治体は増えると見られる。

そうした中、ガス事業者は小中学校などに対し、GHPをどう提案しているのか。ガスエネルギー新聞は4月、旧一般ガス事業者202者と、新規の登録ガス小売事業者のうちの12者の、計214者を対象にガス空調の普及に向けた取り組みについてアンケート調査を実施。各地の事業者が学校へのGHP設置を積極的に働きかけている状況を把握した。

大垣ガスや河内長野ガスは省エネ性および夏場の電力ピークカット効果を訴求しながら設置を提案していくと回答。犬山ガスはガス空調の優位性に加え、補助金の活用等を説明しながら小中学校へのガス空調設置を提案すると答えた。武州ガスは学校への設置が標準化しつつあるため、引き続き、提案に注力していくと回答している。
三重県名張市は今年度、公立学校にGHPを設置する。

同市は予算に「小学校・中学校空調設備整備事業」として4億2800万円を計上。快適な学習環境の確保のため、市内の全小中学校の普通教室・特別教室に空調を設置する。これまでに9校へのGHP導入が決定。名張近鉄ガスがガスの供給等を担う。同市は3年間で順次設置を進める予定。

○PFIやリース

空調を整備する上でのハードルの一つが費用。自治体の財政状況が厳しさを増す中、今後は財政負担の軽減につながる整備手法への注目度もいっそう高まりそうだ。
一つが官民連携手法のPFI(民間資金等活用事業)。松山市は教育環境向上の一環として「松山市立小中学校空調設備整備PFI事業」を実施している。民間の資金・ノウハウを生かして78の小中学校の空調整備を一斉に行い、整備期間の短縮や財政負担の軽減等につなげる。四国ガス、四国電力などが出資する特別目的会社がこのプロジェクトを落札。17年度は全中学校、18年度は全小学校の空調を整備する。

このほかにも、PFIを活用した空調整備は各地で行われており、ガス事業者が整備に参加しているケースもある。
もう一つの手法がリース。多額の初期費用が不要で、費用を複数年に平準化できるため、財政負担を軽減できる。
西日本豪雨では小学校の体育館等が避難場所になったが、空調が設備されていないケースもあった。四国ガスの濱口正和・エネルギー営業部業務用グループマネ―ジャーは「体育館などにも空調の設置を積極的に提案し、避難場所の環境改善につなげたい」と話す。

(ガスエネルギー新聞7月23日付)