徹底した省エネを、政府が夏季の取り組みを発表

庄司智昭,スマートジャパン

2017年07月26日

関係政府機関で構成する「省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議」は、2017年度夏季の省エネルギーに向けた取り組みを発表した。政府の取り組みと各産業界への呼びかけを一部紹介する。

2017年度夏季の省エネに向けた取り組み

日本では、2015年7月に総合資源エネルギー調査会において「長期エネルギー需給見通し」を決定し、2030年度に原油換算で“最終エネルギー消費で5030万kl程度の省エネルギーを実施する”ことが示された。同年7月には地球温暖化対策推進本部で、温室効果ガスを2030年度に2013年度比26%減少させるなどの約束草案が決定されている。

この約束草案や2015年12月に合意したパリ協定を踏まえて、2016年5月に「地球温暖化対策計画」「政府実行計画」が閣議決定され、地球温暖化対策の中でも徹底した省エネルギーの取り組みを進めていくことを掲げている。

こうした背景から、関係政府機関で構成される「省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議」は、エネルギーの需要が増大する夏季と冬季に省エネルギー対策を決定。政府の取り組みを確認するとともに、各産業界への呼びかけを以前から行っている。2017年5月には、2017年度夏季における省エネルギーの取り組みを発表した。

画像はイメージです

まず政府の取り組みについて、一部を抜粋して紹介する。「設備機器関係」については、服装における「クールビズ」の励行(れいこう)に加えて、冷暖房の場合は28℃、暖房の場合は19℃程度といった庁舎内における冷暖房温度の適正管理を挙げた。

建築物の断熱性能に大きな影響を及ぼす窓は、複層ガラスや二重窓、遮光フィルム、ブラインドシャッターの導入など、断熱性能の向上に努めるという。

また照明に関して、政府全体のLED照明のストックでの導入割合を2020年度までに50%以上にすること、昼休みは特に必要な箇所を除き消灯を図ることなどを挙げた。他にも使用する電子機器の見直しや、自動販売機の設置実態の精査も記載している。

日本における温室効果ガス排出量※2015年度速報値 (クリックで拡大) 出典:環境省

「自動車関係」については、2030年度までに政府の公用車のほぼ全てを次世代自動車にすることを目指す。次世代自動車はハイブリッド自動車(HV)、クリーンディーゼル自動車(CDV)、圧縮天然ガス(CNG)自動車などだ。2020年度の中間目標値として、政府全体で公用車の40%程度を次世代自動車にすることを掲げた。

通勤時や業務時における、公共交通機関の利用も推進。中央官庁では、毎月第1月曜日に公用車の使用を原則自粛する「霞が関ノーカーデー」を実施するとした。

 

各産業界への呼びかけ

各産業界には「住宅・ビル」「工業・事業場」「運輸」に分けて、省エネルギーの協力要請を掲げた。まず住宅・ビル業界には、建築物省エネ法に基づく建築物の省エネルギー基準を踏まえ、断熱材の利用など的確な設計および施工を行うことを挙げる。

また「ディマンドリスポンス」に対応した時間帯別・季節別の電気料金メニューが選択できる場合はその活用に努めるとともに、エネルギー管理システム(BEMS、HEMSなど)の導入による、ピーク対策と省エネルギー対策を推奨した。

家電機器やOA機器といったエネルギー消費機器の購入には、省エネ法に基づくトップランナー基準の達成状況を示す「省エネルギーラベル」、米国環境保護庁が定めた国際的省エネルギー制度による「国際エネルギースターロゴ」、政府や事業者が提供するエネルギー消費効率に関する情報などを参考にすると良いという。「初期投資負担を伴うものの、中長期スパンで回収できることに留意すること」とコメントした。

国際エネルギースターロゴ(左)と統一省エネルギーラベル(右) 出典:省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議

工業・事業場業界には、2016年度から開始した「事業者クラス分け評価制度」によるS・A・B・Cの評価を踏まえ、下記の省エネ施策の実施を推奨した。

・事業者全体としての管理体制の整備、責任者の配置および省エネ目標に関する取り組み方針などの策定を通じて、省エネルギーを推進すること。
・省エネ法の「工事等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」に基づく設備の管理基準の策定など、適切なエネルギー管理を実施すること。
・省エネ法の「工場等における電気の需要の平準化に資する措置に関する事業者の指針」に基づく電気需要平準化時間帯における電気の使用から燃料または熱の使用への転換、電気需要平準化時間帯以外の時間帯への電気を消費する機械器具を使用する時間の変更など、電気需要平準化に資する措置を実施すること。

運輸業界に対してはエネルギー管理の実施の他、公共交通機関の利用促進やエネルギー消費効率の良い輸送機関の選択、エコドライブの実践を提案した。

なお省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議が今回公開した「夏季の省エネルギーの取組について」は、こちらのWebサイトから全文を閲覧可能となっている。