世界で広がるESG投資、
企業も気候変動対策を無視できない時代へ

山口岳志 日立コンサルティング エネルギーコンサルティング本部 マネージャー,スマートジャパン

2018年12月07日

気候変動の影響は経済界にも、企業はどうすべきか

今世紀に入り、気候変動は社会・政治的な課題だけでなく、経済における課題としても認識されはじめている。ダボス会議で有名な世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「グローバルリスク報告書」の2018年版によると、世界経済に与えるリスクの中で、気候変動関連リスクが最も重要性が大きかった。詳細にいうと、最もインパクトが大きいリスクは「大量破壊兵器」であり、気候変動のインパクトはそれに次ぐものであったが、発生可能性を加味すると、「異常気象」「自然災害」「気候変動緩和・適応への失敗」の3つが最上位のリスクとして評価されたのである。

参考「第13回グローバルリスク報告書 2018年版」(世界経済フォーラム)を基に筆者作成(https://www.mmc.com/content/dam/mmc-web/Global-Risk-Center/Files/Global-Risks-2018(Japanese).pdf

SDGs(持続可能な開発目標)に代表されるさまざまな環境・社会的取り組みの中でも、気候変動対策は、最も重要視されるべきものだ。SDGsでは、国連加盟193カ国が2016~2030年の15年間で達成する目標として、17の目標(アジェンダ)を設定している。そのうちの13番目に「気候変動対策」が挙げられているが、気候変動はそれ以外のSDGsアジェンダにも深刻な影響を及ぼす。

気候変動によって、干ばつや洪水が発生すれば、環境や生態系が破壊され、持続可能な都市づくり(アジェンダ11)や陸上の生物多様性(アジェンダ15)の達成は難しくなるだろう。農地が破壊されたり、天候不順によって農作物に影響が出たりすれば、飢餓の撲滅(アジェンダ2)も困難になる。難民が発生すれば、貧困の終焉(アジェンダ1)や、平等な教育(アジェンダ4)、健康と福祉(アジェンダ3)も遠のく。SDGsの各目標は相互に依存しあっている部分が少なからずあり、気候変動はその中でも要となるものだ。グローバルな視点でSDGsの目標達成に取り組むのであれば、気候変動への真摯(しんし)な取り組みを行っていることはその前提条件になると言っても過言ではない。

持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs) 出典:国際連合広報センター

蛇足になるが、企業のCSR活動にSDGsの視点を盛り込む際は、こうした各アジェンダの相互作用を考慮して設計すると、企業におけるSDGsへの取り組み姿勢がより明確化され、メッセージ性の高いレポーティングが可能となる。

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