みなとアクルス始動・中部圏初のCEMS採用

エネルギー拠点から熱電併給/東邦ガス

2018年10月05日

東邦ガスは9月25日、港明工場跡地(名古屋市港区)で三井不動産グループと開発を進めてきたスマートタウン「みなとアクルス」のまちびらきを行った。28日には三井不動産の大規模商業施設「ららぽーと名古屋みなとアクルス」がグランドオープンした。新たな街は、先進のエネルギーシステムを構築したことでも注目を集める。東邦ガスは今後、みなとアクルスをモデルに、スマートタウンの提案を行い、さらなる普及拡大を目指す方針だ。

東邦ガスの安井会長(右から3人目)、富成社長(同4人目)らがテープカットを行った

みなとアクルスは、市の中心地、地下鉄名港線栄駅から15分、港区役所駅から徒歩2分の好立地。敷地面積は約33haで、ナゴヤドーム6個分に相当する広さを2段階に分けて開発している。第1期開発として、先行開業したスポーツ施設、エコ・ステーション、エネルギーセンターに加え、アクルスロードやキャナルウォークなど公共空間の供用開始、地域コミュニティーの核となるららぽーとのグランドオープンにより、まちびらきを迎えた(第2期開発エリアの開業は22年以降を予定)。

注目は先進のスマートエネルギーシステム。ららぽーと、スポーツ施設など、みなとアクルスの施設には、東邦ガスのエネルギーセンターから電気と熱が供給される。エネルギーセンターには、ガスエンジンコージェネレーション1000kW2台、ガスだきジェネリンク、蒸気吸収式冷凍機、運河水利用ヒートポンプ、貫流蒸気ボイラー、などを設置。太陽光発電350kW、バイナリー発電20kW、NAS電池600kWも設置してある。

エネルギーセンターからの計2370kWのほか、外部から木質バイオマス電力1000kWを調達。NAS電池で需給を調整し、エリア内の電力需要の約半分を賄う。コージェネの排熱は、ジェネリンクと吸収式冷凍機で冷温水に変え、空調用として、ららぽーと、スポーツ施設に供給している。

エリア内のエネルギー需給バランスを最適化するのが、都市再開発では中部圏で初採用となる地域用エネルギー管理システム(CEMS)だ。エリア内のエネルギー需給を一括管理し、省エネ、省CO2となるよう、需要の予想を基に機器の最適運転計画を立案する。これらの取り組みにより、1990年の同規模施設で同様の設備・使用頻度と比べ、一次エネルギー消費量を40%、CO2排出量を60%削減することを目指している。

ららぽーとには全217店舗が入居。冷水は供用部向けで使用するが、各店舗用の空調にはGHPを導入。ららぽーと屋上の駐車スペースには、200台のGHP(アイシン精機製、エグゼアⅡ、ハイパワーマルチ)を設置している。

GHPを200台設置

エリアの北側には、三井不動産レジデンシャルが約500戸の集合住宅を建設する。東邦ガスは第1区画で作る全265戸にエネファームを設置することを提案している。集合住宅の完成後、住民にポイントを付与するなどして各戸の省エネ行動を促すデマンドレスポンスを行うことも計画している。

災害に強いまちとしての備えも十分だ。災害で系統電力が停電した場合は、ガスコージェネレーション、太陽光発電に加え、NAS電池からの放電によって、エリア内の各施設に電気を供給。さらに道路を挟んで向かいにある港区役所に150kWの非常用電力を供給する。津波発生時には、エネルギーセンター、ららぽーと立体駐車場で約9000人の収容が可能。地域の防災力向上にも寄与する。まちびらきセレモニーに出席した安井香一・東邦ガス会長は、「この地区のにぎわい創出と安心・安全をわれわれが担い、名古屋市全体に波及していくことを祈念している」と語った。
(ガスエネルギー新聞 10月1日付)

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