PtGの可能性考察、再エネ主力電源化に必要

日本エネルギー経済研究所

2018年09月03日

日本エネルギー経済研究所の柴田善朗研究主幹は8月28日、再生可能エネルギー電力から水素や合成メタンを製造する「パワーツーガス」(PtG)に関する研究レポートを発表した。PtGのビジネスモデルとその実現に向けた課題について考察し、再エネの主力電源化を目指すためにはPtGが必要だと結論付けている。

PtGの主目的は、余った再エネ電力による水の電気分解で水素を製造し、発電や都市ガス、自動車燃料などに利用することだ。ただ、電解設備のコストの高さと設備利用率の低さが課題で、現状では再エネ余剰電力から製造された水素は価格競争力がない。

このため、2030年ころまでの短期的なビジネスモデルとしては、系統電力を購入して水素を製造し、デマンドレスポンス(需要応答)としても活用することが考えられるとした。製造した水素はCO2フリーにはならないが、周波数調整力を提供することによる報酬が得られ、水電解設備の利用率も高めることができるとした。

再エネ余剰電力が大量に発生し、電解装置のコストも下がる30年以降の中期では、再エネ余剰電力による水素製造と調整力市場への参加を組み合わせる。水素と同時に発生する酸素も販売し、その収益を控除すれば、この組み合わせによる水素製造コストを30円/Nm3水準(国の水素基本戦略における輸入水素価格の30年目標)まで削減できるとした。

水素社会の構築を目指す長期的観点(40年代後半~)からは、再エネの発電コストを大幅に低減するとともに、あえて余剰電力を発生させるために再エネを大規模に導入することが求められるとした。このような状況になれば、PtGにより大量に製造された水素や合成メタンが運輸部門や都市ガス部門で利用されることになり、エネルギーシステム全体の低炭素化を図ることができるとして「再エネの主力電源化を目指すためにはPtGによる支援が必要であり、同時に水素社会構築のためには再エネの主力電源化が求められる」と結論付けている。

(ガスエネルギー新聞9月3日付) 

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