水素エネ成長の柱に、地域分散エネ事業も支援/未来投資戦略

2018年06月18日

政府は15日、当面の経済政策の基本となる「未来投資戦略2018」を閣議決定した。政府が重点的に取り組む分野として、CO2フリー水素や分散型エネルギーシステム構築等のエネルギー・環境分野を位置付けた。

未来投資戦略は、(1)モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)、ビッグデータ活用に代表される新技術をより望ましい社会づくりに活用、(2)その際に日本の企業や大学などの持つ人材、技術、研究開発力などの「資源」を有効活用、(3)それによって日本が直面するエネルギー制約や環境問題、少子高齢化などの課題の克服に挑戦しモデルを構築、(4)そのモデルを同様の課題を抱える諸外国に展開―などにより、日本経済を成長させるシナリオを描いた。

エネルギー・環境分野については、まず国内で温室効果ガスの大幅な削減に取り組み、そこで得られた新しい技術等によって世界的削減に貢献し、経済成長実現につなげる基本方針を示した。このため、エネルギー・環境投資を拡大し、そこで生まれるイノベーション(技術やビジネスモデル等の革新)の成果を活用して、施策や関連産業の高度化を戦略的に進めることを記載した。

「エネルギー転換・脱炭素化」が具体的施策の柱の一つだ。その筆頭は、政府が17年12月に策定した「水素基本戦略」に基づく水素社会構築に向けた取り組みだ。エネファームや産業・業務用定置式燃料電池の普及拡大、燃料電池自動車(FCV)向けの水素ステーションの戦略的整備など供給・利用両面の取り組みを一体的に進めるとした。「工程表」では、エネファームについて「20年140万台、30年530万台」という従来の評価指標を改めて示した。

また、海外での再生可能エネルギー由来の水素(水の電気分解)、低品質な石炭由来の水素(分解したCO2は回収・貯留)などを前提としたCO2フリー水素の国際的サプライチェーンに向けた水素の製造・輸送技術の研究開発と20年からの実証運転などに取り組む。水素のメタン化やアンモニア化など輸送技術活用も検討すると明記した。

IoTやAI等を活用した「エネルギー・環境関連ビジネスの革新」も柱だ。複数事業者の連携や、IoTなどの活用などによる企業の省エネ促進のほか、コージェネや再エネなどの分散型電源や蓄電池を束ねて一つの調整電源として使う仮想発電所(VPP)の21年度の事業化に向けた実証や制度整備にも取り組む。同日閣議決定された「規制改革実施計画」に盛り込まれた熱量バンド制、一括受ガス、卸供給促進等の検討なども取り込んだ。

「地域のエネルギーシステム最適化等と環境保全」も柱とし、再エネ等を活用した地産地消型エネルギーシステムの構築を促進するため、事業化支援の取り組みを進める方針を示した。同日閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針」にも「分散型エネルギーアドバイザー」を自治体に派遣するとともに、自治体向けのスタートアップ窓口を構築する方針が明記された。

(2018年6月18日付「ガスエネルギー新聞」)

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