米産LNGを初受入
関電とのスワップ取引/東京ガス

2018年05月31日

東京ガスは21日、米国コーブポイントLNGプロジェクトからのLNGを根岸LNG基地(横浜市)に初めて受け入れた。長期契約に基づく米国シェールガス由来のLNGの受け入れは日本初。関西電力との提携の枠組みに基づくスワップ取引で、輸送には関電と日本郵船が共同保有するLNG船を使用した。仕向地条項がない米国産LNGの特長をさっそく生かした。

約1ヵ月の航海で日本に到着した

コーブポイントLNGプロジェクトは、米国東海岸・メリーランド州に出荷基地を置く年間液化能力約500万tの大型案件。4月9日に商業生産を開始した。東京ガスと住友商事の共同事業会社が年約230万tのLNGを委託生産する契約を持つ。そのうち東京ガスが年約140万t、関電が年約80万tを受け取る20年間の長期契約を結んでいる。

東京ガスの長期契約によるLNG調達先は、これで6カ国13プロジェクトになった。米国産の比率は約1割になる。年約72万tの長期契約を結ぶキャメロンLNGプロジェクト(ルイジアナ州)が操業を開始すれば、比率は15%程度まで高まる。

従来の長期契約の売買価格が原油価格に連動するのに対し、米産LNGの価格は同国内のパイプラインガス価格に基づいて決まる。買い手にとってどちらが得かは市況次第だが、異なる価格指標を組み合わせることで調達価格が相対的に安定する効果が期待できる。

根岸基地に到着したLNGは約7万t。タンク容量約17万7000m3のLNG船「LNG SAKURA」はほぼ満杯だった。同船は関電が主にコーブポイントプロジェクト向けに使用するため新たに建造した。日本郵船が船舶管理を担当する。今回、関電とのスワップ取引により東京ガスがLNGを受け入れたのは「今年の冬が想定以上に寒く、在庫が減っていたため」(比護隆・東京ガス原料部長)だという。

東京ガスと関電は16年から、LNG調達とLNG火力発電所の運営に関する戦略的提携関係を築いている。LNG調達については、両社が共に購入契約を持つプロジェクトや仕向地条項がない米国プロジェクトのLNGを念頭に交換・融通する枠組みを構築した。その枠組みがさっそく生かされたかたちだ。

東京ガスは関電の他に、九州電力、韓国ガス公社(KOGAS)、台湾中油(CPC)とも提携関係を築いている。また、英国のガス会社セントリカとは、輸送費の低減を目的としたスワップ取引を実施する契約を結んでいる。東京ガスのコーブポイントプロジェクトのLNGと、セントリカがアジア太平洋地域で調達するLNGをカーゴ単位で交換する。今秋から契約期間が始まる。

東京ガスは他社とのこうした提携関係を通じて、仕向地に縛られない米産LNGの特長を最大限に生かして、LNG調達価格の抑制を図る。

アラスカを除く米産LNGプロジェクトの操業は、16年5月に商業生産を開始したサビンパスプロジェクト(ルイジアナ州)に次いで2件目。サビンパスプロジェクトとはJERAが16年7月から1年半で合計最大約70万tを購入する短期契約を結んでいた。

米国でのプロジェクトは今後も続々と立ち上がる。大阪ガスとJERAが合わせて年約464万tを引き取るフリーポートプロジェクト(テキサス州)は年内の稼働開始を予定。東京ガス、東邦ガス、関電、JERA、東北電力が長期契約を結ぶキャメロンプロジェクトは19年に生産を開始する計画だ。

(ガスエネルギー新聞5月28日付)
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