炭火に匹敵する高温調理を実現した
高火力ガス式焼物器の実力

2017年10月20日
名古屋のうなぎ料理店が、高火力ガス式焼物器のモニター試験に協力した

「大阪ガスでは、京都の料亭をはじめ、『2017食博覧会・大阪』でも複数の料理人に試してもらい、感想や意見を聞きました。燻煙発生機能は、まさにそんな開発途上で料理人の声から生まれた機能なんですよ。燻煙も欲しいという声が多かったんです。だから燻煙発生機能の燻煙棒は、つけたり、外したり、棒の数を変えたり、使う人が好みや食材によって使い分けられるようにしているのです」(西氏)

東邦ガスでは、うなぎ料理店でおよそ3ヵ月にわたってモニター試験を実施。料理人の評価や、実際の現場で使ってきた改良点を開発に反映していった。「また、熱板の材質についても、弊社の実験室で耐熱性の実験を行ったり、モニター先で2週間ごとに数種類の材質を変えて試してもらいながら、最善の材質を絞り込んでいきました」(羽木氏)。

「遠火の強火」をガスで実現

改良を重ねたファン。これにより焼物機の小型化が実現した

3社それぞれの取り組みの成果として、試行錯誤の末に開発に成功した高火力ガス式焼物器。「いい製品に仕上がったと思っています。開発のやりがいがありました」と、タニコーの菊田氏は自信を隠さない。

「我々は今後販売を行っていきますが、さまざまな課題に対処しながら、間違いのない製品をお届けしていきたいですね」(菊田氏)

炭火並みの高火力に加えて、燻煙発生機能で調理の幅が広がったわけだが、ここで忘れてはならないのが、それがガス式だということである。高火力と燻煙が必要なら、炭火を使えばいい話だ。そこに、今回の開発成功の大きな意義があるといえるだろう。

ひと言でいえば、手軽さだ。炭火の場合は準備に時間がかかり、消し炭や灰の始末から清掃まで火床の管理も大変だが、このガス式焼物器なら、2〜3分で立ち上がり、すぐに調理することができる。片付けの手間もかからない。それでいて、炭火と変わらない火力をもっているというのだから、ユーザーから注目されないほうがおかしい。

「東邦ガスでは、モニター試験中のうなぎ料理店で非常に高い評価をいただき、モニター終了後に購入いただくことを検討していただいています」と羽木氏。「これまでガス会社として培ってきたノウハウやお客さまとの関係構築が、モニター試験などでも役に立ったと思っていますね。これからは、うなぎ料理店だけでなく、もっとさまざまな業態のお店にアピールしていきたいですね」と、意気込む。

大阪ガスの西氏も、「日本料理店だけでなく、今後は焼き鳥店に広げたい」という。焼き鳥店のような比較的小さな店舗への普及を考えていけば、さらなるコンパクト化も今後求められる課題だ。

「開発にあたっては、料理人の要望をいかに反映するかに苦心しました。でも、そのかいがあって、ある料理人からは『焼き調理を楽しめる機器』だという評価をいただきました。気軽に使えて、高火力で思い通りの調理ができるから、楽しいと」(西氏)

和食の世界には、「強火の遠火」という言葉がある。炭火料理などで、強い火力で食材を火から遠ざけて焼く調理法で、食材の旨みを逃すことなく、中までしっかり火を通すことができる。そんな、今まで火力が低くてガスではできなかった料理の技や工夫が、気軽に楽しめるようになった————そう料理人たちが実感しているのだろう。

「調理が楽しい」。開発に携わった3社のメンバーにとって、それは何よりもうれしい褒め言葉に違いない。

高火力ガス式焼物器が開発された、福島県南相馬市にあるタニコーの福島小高工場

 

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