再エネ賦課金が標準家庭で年間9500円に、前年から17%増加も伸び弱まる

石田雅也,スマートジャパン

2017年04月26日

固定価格買取制度に伴って電気料金に上乗せする賦課金の新しい単価が決まった。毎月の電力使用量1kWhあたり2.64円の負担になり、標準的な使用量の家庭では年間に9500円の賦課金を支払う必要がある。前年度と比べて17%の増加だが、伸び率は小さくなって上昇傾向は弱まってきた。

経済産業省は2017年5月分の電気料金から適用する賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)の単価を決定した。企業や家庭が利用する電力1kWh(キロワット時)あたり賦課金の新単価は2.64円になる(図1)。前年度(2017年4月分まで)の単価は2.25円で、伸び率は17%だ。

図1 2017年度の賦課金単価と算定方法。出典:資源エネルギー庁

標準的な家庭の電力使用量を月間300kWhで計算すると、賦課金は月額で792円になり、年間では9504円も負担が増える。決して小さくない金額であり、以前から固定価格買取制度の問題点の1つに挙げられている。

一方で原子力発電には立地自治体に対する交付金をはじめ多額の税金を投入している。今後の廃炉や使用済み燃料の処分にかかる想定不能なコストも巨額にのぼることは確実だ。賦課金だけで再生可能エネルギーと原子力の国民負担を比較することは適切ではない。放射能汚染のリスクがなくCO2(二酸化炭素)を排出しない再生可能エネルギーの電力を増やすために、ある程度までは賦課金を許容する必要がある。

毎年度の賦課金は固定価格買取制度で年間に買い取る電力量の想定をもとに、買取費用から回避可能費用を差し引いて算定する。回避可能費用は電力会社が同じ電力量を火力発電などで発電する場合に必要なコストで、差額分を国民が電気料金で負担する仕組みだ。

2017年度と2016年度を比較すると、買取費用は18%増加、回避可能費用は13%増加する想定になっている(図2)。それに伴って賦課金は19%増える。国全体の販売電力量が1%増える前提で賦課金の新単価を算定した。

図2 2017年度と2016年度の買取費用などの比較。出典:資源エネルギー庁

2012年7月に始まった固定価格買取制度で国内の再生可能エネルギーによる発電設備は飛躍的に拡大している。発電した電力の買取量は年々増加して、買取費用と賦課金も大幅に伸びた(図3)。ただし賦課金の総額は2014年度から2015年度に6700億円も増加したのをピークに、その後は2016年度に4800億円、2017年度は3400億円で増加ペースは着実に弱まっている。

図3 買取費用と賦課金(カッコ内)の推移。出典:資源エネルギー庁

買取費用の多くを占める太陽光発電の単価を引き下げた効果が大きい。今後さらに買取費用と賦課金の伸びは縮小していく。国が目標とする2030年度に3.7~4.0兆円の買取費用に収めることは可能だろう。

 

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