大阪ガスが特定供給を開始、自営線とコージェネで地域を省エネに

長町基,スマートジャパン

2017年03月24日

大阪ガスは、同社の研究開発拠点やグループ会社の工場などがある酉島地区(旧大阪ガス酉島製造所エリア、大阪市此花区)で、電力の特定供給を2017年1月から開始した。自営線を新たに敷設し、既存のコージェネレーションシステム試験機で発電した電力と系統電力を組み合わせて、地区内の各施設間で融通することで、同地区全体のエネルギーコストを低減することが可能だ。

特定供給は、電力の供給者と需要者に密接な関連性がある場合に、両者が合意した契約に基づいて自営線を用いた電力の供給を行うことを認めている制度。今回は大阪ガスファシリティーズが特定供給者となり、大阪ガスおよび大阪ガスケミカルと特定供給に関する契約を締結している。大阪ガスによるとこの取り組みは、2012年の特定供給の要件緩和以降、関西で初めての特定供給案件となるという(図1)。

 

図1 今回の事業スキーム 出典:大阪ガス

大阪ガスでは30年以上前からコージェネレーションシステムを販売しており、現在までに累計158万kW(キロワット)のシステムが採用されている。これまでは主に個々の顧客にコージェネを設置して電気と熱の供給を行ってきた。今後は、今回の取り組みで習得した知見を生かし、複数の客が集まる工業団地などで、コージェネの導入とともに特定供給を活用したエネルギーソリューション提案を展開していくことで、コージェネ市場のさらなる拡大を図り、省エネルギー・CO2削減に貢献していく考えだ。

また、大阪ガスは、関西電力による2017年度の調整力公募(対象メニュー=電源I’厳気象対応調整力)で、ネガワット(電力の供給者からみた需要者の工夫による需要の削減のこと)アグリゲータの落札候補者として選定されており、同地区は大阪ガスが束ねるネガワット拠出需要家の1つとして登録されている。大阪ガスは今後のネガワット市場の拡大を見据え、2017年度の調整力公募への入札を通してデマンドレスポンスサービスに積極的に取り組む方針だ。

同社は2015、2016年度にそれぞれデマンドレスポンスにかかる実証事業に参画し、段階的にネガワットを扱うための技術基盤の整備、運用ノウハウの蓄積を行ってきた。2017年4月から、送配電事業者が周波数制御・需給バランス調整に必要な調整力を公募により調達することとなり、調整力の入札対象は電源によるものだけでなく、ネガワットも対象になる。同社は酉島地区や複数の工場などの客から得られるネガワットを調整力として送配電事業者に提供する計画だ。

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