低炭素社会に向けた日本のエネルギー戦略、どうする石炭火力と再エネの拡大

石田雅也,スマートジャパン

2017年01月26日

日本が取り組む温暖化対策では2030年の目標達成だけではなく、2050年以降を見据えたエネルギー戦略の転換が重要だ。CO2排出量の多い石炭火力発電を抑制しながら、コストの低下が進む再生可能エネルギーを飛躍的に拡大させる。政府は2050年に向けた低炭素社会のビジョンを策定する。

環境省は2050年を見据えた「長期低炭素ビジョン」を策定して、2017年3月をめどに公表する予定だ。日本を含む先進国には2050年までに温室効果ガスの排出量を80%以上削減することが求められている(図1)。今後30年以上に及ぶ長期にわたって温暖化対策と経済成長を両立させる必要がある。

 

図1 日本の温室効果ガス排出量の推移と目標(画像をクリックすると拡大)。出典:環境省
 

温室効果ガスの大半を占めるCO2(二酸化炭素)の排出量のうち、日本では94%がエネルギーの消費に伴って発生する(図2)。2050年までに排出量を80%以上も削減するためには、エネルギーの分野で革新的な取り組みを推進していくことが欠かせない。

 

図2 日本のCO2排出量の内訳(2015年度の速報値、画像をクリックすると拡大)。出典:環境省
 

CO2排出量の多いガソリン車から電気自動車や燃料電池車へ移行を加速させる一方、再生可能エネルギーを中心に低炭素電源の比率を9割超に高める必要がある(図3)。環境省が策定中の長期ビジョンでは、エネルギー分野の技術革新に加えて、エネルギーを消費するライフスタイルの変革や技術革新に伴う新しいビジネスの創出を提言する方針だ。

 

図3 温室効果ガス排出量の削減目標を達成するイメージ(画像をクリックすると拡大)。CCS:CO2.回収・貯留。出典:環境省
 

国を挙げて低炭素社会に向けて動き出すことによって、将来にわたる豊かな生活と経済の発展を実現していく。そうした低炭素社会を形成するためには、CO2を大量に排出しているエネルギーの生産・消費の仕組みを抜本的に変えなくてはならない。

その中でもCO2排出量の4割を占める電力の分野の長期戦略がカギを握る。ところが政府内の方針は定まっていない。とりわけ世界の潮流から遅れをとっているのが、石炭火力発電の抑制と再生可能エネルギーの拡大だ。2050年に低炭素電源の比率を9割超まで高めるには程遠い状況にある。

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