ガス会社が取り組む厨房プロデュース
快適で効率的な調理空間をつくり出せ!

スマートエネルギーで社会を支える ミッションと技術者たち[1]

2017年02月27日

最新の厨房機器を駆使して環境を改善

太田さんは大学卒業後、厨房機器のメーカーに入社。

その後は、一貫して厨房の作業動線や機器の配置を考えて厨房図面を作成する部署に所属。

一から学びながら技術を身につけ、一級厨房設備士や一級厨房設備施工技能士などの資格も取得した。

「大学は工学部機械工学科なんですが、飲食店でアルバイトをしていたこともあり、厨房機器に興味があって入社しました。
  メーカー時代は年間100件くらいの図面を手がけていたので、今思えば、そのときにさまざまな物件を担当した経験が力になっていますね。
  サービスエリアのフードコートの仕事などは、規模も大きくて、思い出深い仕事でした」

東京ガスに入社したのは3年前。

「ほかに役に立てるところがない」と本人は笑うが、まさに適材適所で現在の厨房相談室に配属された。

スチームコンベクションオーブンは、煮る、焼く、蒸すが1台でできてしまう調理機器。

「仕事は大きく変わりませんが、換気・空調も含めた提案をすることが増えました。
  また、メーカー時代は自社の機器を多く扱っていましたが、今ではメーカー各社の機器を知らないといけません、厨房機器は日々進化していますから。
  でも、そのおかげで、かつてはできなかった最適な厨房のレイアウトが、さまざまなメーカーの最新機器を使うことで可能になるということもありますね」

厨房といえばガスというイメージをもつ読者も多いと思うが、厨房のガス機器の一番の魅力は、やはり炎だと太田さんはいう。

「強火からとろ火まで、調整が自由に簡単にできますし、中華料理では圧倒的な火力で一気に短時間で仕上げますから、必要以上に水分が失われないのでジューシーに仕上がります。
  それにやっぱり、ご飯です。
  ガスの強い火力でお米の一粒一粒を加熱して、ねばりのある、うまみのあるご飯が炊けますよね」

コスト面でも、イニシャルコストやランニングコストが電気に比べて抑えられるというメリットもある。

さらに最近の機器は、労働環境や衛生環境に配慮したものが次々と登場しており、太田さんも提案の際にはこうした働く環境を重視しているという。

学校給食などに使われる調理釜。二重の断熱構造になっていて、釜の表面に熱が伝わりにくい。

「厨房内は暑いという声を本当によく聞きます。
  調理するときの炎の直接的な熱だけでなく、たとえば稼働している加熱機器の表面から放出される輻射熱や、洗浄機から出る蒸気も、厨房内を暑くする要因になっています。
  これまではその熱への配慮がされてきませんでしたが、今では熱を抑えたり、有効利用するような機器が登場しています」

たとえば現在、「涼厨(すずちゅう)」という厨房機器シリーズの採用実績が伸びている。

このシリーズは統一規格にもとづいて各メーカーがそれぞれ製作・販売しているもので、厨房機器が発する輻射熱を低減し、集中排気する事で快適な作業環境を実現するとともに、空調負荷を低減し、節電にも貢献してくれる。

「また、滑りにくいだけでなく清掃がしやすい床材など、衛生面での提案も重要なポイントになりますね。
  近年では、調理の現場で労働力不足が問題となっていますが、人員確保のためにも労働環境の改善が求められる時代なのだと思います」

厨房という狭く限られた空間のなかで、作業動線も考えながら、どうやってレイアウトを組んでいくか。

それに見合った機器も探さないといけないが、それこそ組み合わせは幾通りも存在する。

「10人のお客さまがいれば、10通りの厨房ができ上がります。
  本当に正解がないのかもしれません。
  しかも、作成した提案図面を、試しにつくって確認することはできません。
  施工して厨房が完成するまでは、落ち着かないこともあります。
  でもだからこそ、お客さまが求めているニーズをしっかりと聞き出すとともに、コミュニケーションをとりながらひとつひとつの課題をクリアしていくことが、いい厨房をつくるためには大切だと思っています」

そうやって導き出した自分の提案が、クライアントに受け入れてもらえて形になったときには、やはりやりがいを感じると太田さん。

「ただ私たちにとって、本当に成功したといえるのは、お客さまから『また手伝ってくれますか』といわれたときじゃないですかね」。

 

 

■スマートエネルギーで社会を支える ミッションと技術者たち■
[1]ガス会社が取り組む厨房プロデュース 快適で効率的な調理空間をつくり出せ!
[2]ガス会社の省エネサービス最前線 進化するガス空調の遠隔監視システム
[3]ものづくりを支える職人技。ガス工業炉に炎をともせ!

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