ガス小売全面自由化へ動きが加速、電力と同様の競争環境を整備

石田雅也,スマートジャパン

2016年10月28日

実施まで6カ月余りになった都市ガスの小売全面自由化に向けて急ピッチで準備が進んでいる。政府は電力と同様に営業行為を規定したガイドラインを整備するのと合わせて、大手のガス会社を対象に料金面の規制を加える方針だ。電力会社は既存の契約条件の緩和などを求めながら参入に備える。

いよいよ電力に続いて都市ガスの小売全面自由化が2017年4月1日に始まる(図1)。家庭を含めてガス料金の規制を撤廃するのと同時に、既存のガス会社以外でも家庭向けの小売が可能になる。これまで電力会社や電話会社は都市ガスと組み合わせたセット割引を提供できなかったが、今後は電力と都市ガス・LP(液化石油)ガス、携帯電話やインターネット通信サービスを含めて一括で販売できるようになるわけだ。

図1 電力・ガスシステム改革の実施スケジュール(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

すでに8月1日からガス小売事業者の事前登録の申請が始まり、いち早く東京電力や関西電力が申請を出した。そのほかの電力会社も追随する見通しで、来年1月には電力と都市ガスのセット料金プランを発表して営業活動を開始できる。

一方で守る立場のガス会社には厳しい競争が待ち受ける。政府は自由化後のガス料金が地域によって値上がりすることを防ぐため、引き続き規制料金(経過措置料金)によるガスの販売を義務づける事業者を10月から11月に選定することになっている(図2)。

図2 小売全面自由化に向けた事前のスケジュール(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

供給地域内のシェアが高い東京ガス・大阪ガス・東邦ガス(中部地域)の大手3社を指定することは確実だ。現在の電力市場と同様に、規制料金を続ける場合には新規参入の事業者と比べて自由料金の単価を安く設定しにくい。

小売全面自由化に伴って、ガスの製造部門や導管部門にも規制が加わる。製造部門にあたるLNG(液化天然ガス)基地には法律による規制はなかったが、2017年4月から届出制に変わる(図3)。LNG基地から需要家までガスを運ぶ導管サービスは従来と同様に許可制で、他の事業者にサービスを提供する場合の「託送料金」は国の認可が必要になる。

図3 ガス小売全面自由化に伴う事業者の区分。出典:資源エネルギー庁

東京ガスをはじめ既存のガス会社は自由化後の託送料金の認可を申請済みで、12月までに認可を受けて託送料金を確定させる見込みだ。新規参入の事業者は新しい託送料金をもとに料金プランを決めて営業活動に入る。この一連の流れは1年前の電力の自由化と同じで、年明けの1月から各社が料金プランを発表することになる。特に電力会社のセット料金に注目が集まる。

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