日本をLNGのハブへ、G7北九州エネルギー大臣会合で発表

三島一孝,スマートジャパン

2016年07月11日

経済産業省は北九州市で2016年5月1~2日に開催されたG7北九州エネルギー大臣会合において、日本のLNGハブ化などの構想をまとめた「LNG市場戦略」を発表した。

G7北九州エネルギー大臣会合は、日本、米国、カナダ、ドイツ、フランス、英国、イタリアの先進主要7カ国とEU、国際エネルギー機関(IEA)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)から閣僚などが出席(図1)。「グローバル成長を支えるエネルギー安全保障」をテーマに、多様なエネルギーの課題と対応について議論した。今回の話し合いの結果のメッセージや取り組みは共同声明「グローバル成長を支えるエネルギー安全保障のための北九州イニシアティブ」にまとめられ、2016年5月末のG7伊勢志摩サミットによる首脳間の議論の土台になるという。

図1 G7北九州エネルギー大臣会合の出席者 出典:経済産業省

同イニシアティブでは「成長を支えるエネルギー投資の促進」「原子力安全」「サイバーセキュリティ、電力安定供給」「エネルギー技術の革新」などに加え「天然ガスセキュリティ」についてもポイントとして盛り込まれた。同ポイントは天然ガスにおける国際的な緊急時対応力の強化についての話題であるが、市場の柔軟性を実現するために、仕向け地条項の緩和に加え、国際的な液化天然ガス(LNG)市場の確立への取り組みが含まれる。

LNG市場戦略を発表

こうした議論の中で日本では、低廉かつ安定的なLNG調達を進めていくための対応として「LNG市場戦略」を発表した。LNG市場戦略は、取引に関する環境変化を踏まえ、流動性の高いLNG市場を構築し、2020年代前半までに日本をLNGの取引や価格形成の拠点(ハブ)としていくことを目指すものだ。

背景として、日本がLNGの世界最大の需要国であることが挙げられる。日本は世界のLNG需要の約3分の1を占めており世界最大の輸入国である(図2)。

図2 世界のLNG輸入量の推移 出典:経済産業省

しかし、一方で調達に関して、長期契約で原油価格に連動する価格決定方式を取られている点や、仕向地条項(仕向地が固定され転売を認めない条項)により転売ができない点など、やや不利になり得る契約方式が取られている。これらを改善することで、日本をベースに柔軟性の高い国際的なLNG市場を創造し、合理的な価格で安定的にLNG調達を可能とする環境整備が行える。特に東日本大震災以降、原油価格の高騰により、LNGにおいても調達価格の高騰が進み、欧米との価格差が大きくなってきていたことから、これらの是正にもつながる(図3)。

図3 日本と欧米の天然ガスの価格差(クリックで拡大)出典:経済産業省

1
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS