ガスの圧力差で発電して熱も供給、街のCO2排出量40%削減へ

長町基,スマートジャパン

2016年07月04日

東京ガスが東京都江東区の豊洲埠頭地区で建設を進めていた「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター」が完成した。豊洲市場を含む同区域に熱と電気を効率的に供給する。これにより同地区のCO2排出量を40%削減を目指す計画だ。

東京ガスは2016年5月、豊洲埠頭地区で建設を進めていた「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター」が完成したと発表した(図1)。同地区におけるスマートエネルギーネットワークの拠点として機能し、今後豊洲市場を含む同区域内に対して熱と電気を効率的に供給していく。

図1 「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター」の外観 出典:東京ガス

豊洲埠頭地区は、江東区により策定された「豊洲グリーン・エコアイランド構想」などに基づき、スマートなまちづくりが進んでいる地区だ。また、東京ガスのグループ会社である東京ガス用地開発は豊洲埠頭地区内における自社所有地を核として、長期的な視点で未来志向のまちづくりに取り組み、地区の魅力や価値向上に資する開発を進めてきた。

同センターでは、出力6970kW(キロワット)のガスエンジンコージェネレーションシステム1台の導入により発電した電力を豊洲市場へ供給し、廃熱を同区域の熱供給に有効活用するとともに、同社施設では初となるガス圧力差発電を導入する。豊洲埠頭地区は中圧ガス導管の中でも供給圧力が高めの中圧Aと、低めの中圧Bが同じ地区にあるため、中圧Aから中圧Bへ減圧する際の都市ガスの流れで、タービンを回転させ発電するシステムを採用。発電と同時に発生した冷熱は、同区域での熱供給に有効活用する。

また、BCP対応として、ガスエンジンコージェネレーションシステムに、停電の状態で発電機を自立起動させるブラックアウトスタート仕様を採用、電力の自営線の敷設および、災害に強い中圧ガス導管を活用する。それにより、系統電力が停電しても、熱と電気の供給継続を可能とし、地域の防災性の向上の実現を目指す。

さらには、熱需要情報や、気象状況、曜日特性といった膨大な外部情報などを瞬時に収集・分析し、人には難しい最適なコントロールをリアルタイムで実施することにより、地域全体のエネルギー需給を一括管理・制御するシステム「SENEMS」を導入する。これらにより、CO2排出量の約40%削減を目指すとともに、地域の防災性の向上を図る。将来的には、同区域以外のまちづくりの進展に合わせて新たなスマートエネルギーセンターを設置し、同センターと連携することを計画している。

同センターの敷地面積は約7400平方メートルで、建築面積は約3000平方メートル。高さは約42メートル(地下1階、地上5階)で延床面積約11400平方メートルだ。エネルギー供給設備としてガスエンジンコージェネレーションシステムの他、665kWのガス圧力差発電1台、2000RT(冷凍トン)の廃熱投入型蒸気吸収冷凍機1台、2000RTのターボ冷凍機2台、2.5t/h(トン毎時)の蒸気ボイラ4台を導入している(図2)。

 

図2 「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター」に導入した設備の概要 出典:東京ガス
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