技術の進歩で広がるガスヒートポンプ
節電ニーズに応えるガス空調の最前線

2016年03月16日

90%の電力消費削減を実現

自分の会社があるオフィスビルは、いったいどんなエアコン設備なのか。

ほとんどの人は考えたこともないだろう。

まして、会社帰りに同僚と行った商業施設内の居酒屋や、休日に家族と訪れたショッピングモール、野球観戦をしたドーム球場……だったら、なおさらだ。

しかし、そんな業務用空調設備の世界で今、変化が起きようとしている。

省エネや節電が叫ばれて久しいなか、近年にわかにガスを利用した空調設備への注目が集まっているのである。

「ガス空調のなかでも、とくに2011年以降、大幅にガスヒートポンプ(以下GHP)の出荷台数が増加しており、2015年度は年間3万台を超える見込みになっています。

また、ガス空調全体の普及状況は2014年度末で、業務用空調設備全体の21%を占めるまでに成長しています」

2月に行われた「HVAC&R JAPAN」の会場内でひときわ多くの来場者を集めていたガス3社(東京ガス、大阪ガス、東邦ガス)のブース。

そう説明するのは、2月下旬に東京ビッグサイトで行われた冷凍・空調・暖房展「HVAC&R JAPAN(ヒーバック&アール ジャパン)」で、「進化するガス空調」と題して講演を行った、東京ガス株式会社ソリューション技術部の安田研氏である。

ここで、ガス空調について簡単に説明しておきたい。

ガス空調のシステムには、これまで一般的だった電気モーターを使用する電気式ヒートポンプ(以下EHP)とは異なり、ガスエンジンでコンプレッサーを動かして冷暖房を行う個別空調のGHPと、ガスの燃焼時などに出る熱を利用するセントラル空調のナチュラルチラー(吸収冷温水器)という種類がある。

GHPは、学校やスポーツクラブ、事務所ビル、病院など、小・中規模の建物に適したシステムで、一方のナチュラルチラーは、ドーム球場や高層ビルのような広い空間をもつ施設などに向いている。

どちらも都市ガスが主たるエネルギー源で、電気は制御やファンに使用するだけで、ほとんど使用しないのが特長だ。

そのためEHPに比べて、大幅に節電ができるというメリットがある。

ではなぜ今、ガス空調が伸びているのだろうか。

講演を行った東京ガスの安田研氏。

「事業者などのお客様が空調設備を選ぶ要因として、昔から、初期投資や運転費用の安さ、省エネ性能、CO2排出量の少なさ、信頼性などのニーズが存在しました。

それが東日本大震災以降、これらに加えて、節電対策や事業継続性(BCP)、電力・ガス自由化に見られるエネルギーの多様性という新たなニーズが加わったことが、背景にあると考えられます」(安田氏、以下同)

さらに、2014年に省エネルギー法が改正され、省エネに加えて「節電」が努力義務化されたことも、電気をほとんど使わないガス空調の普及を後押しすることにつながった。

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