省エネと電力需給の安定に、
天然ガス利用の拡大を。

提供元:GAS EPOCH vol.86

2014年10月10日
経済産業省 資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部
省エネルギー対策課長 福田敦史

この4月に「改正省エネ法」が施行されました。そこでは従来からの省エネの推進に加えて、電力のピーク対策が一層クローズアップされています。改正のポイントや天然ガスが担う役割を、政策を推進する福田敦史さんに伺いました。
 

電力需給バランス安定への取り組みをさらに強化

「省エネ法」(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)は1979(昭和54)年、第二次オイルショックを受けて制定されました。産業、業務、家庭、運輸の各部門で取り組むべき施策を定め、日本国内における省エネ推進の一翼を担っています。2013年5月には改正法が公布され、2014年4月に施行されました。

これまでの「省エネ法」では”エネルギーの使用の合理化“つまり、エネルギー消費原単位(図1①参照)の年1%以上の改善を推進してきました。今回の改正ではこれに加えて、重要な柱として電力のピーク対策による需給バランスの安定化を盛り込んでいます。2011年3月11日の東日本大震災にともなう電力需給の逼迫を受け、系統電力に過度に依存しないエネルギー社会を目指すのが狙いです。

チェンジ、シフト、カットの三位一体がキーポイント

「改正省エネ法」では大きなポイントとして「電気需要平準化時間帯」を設定しました。とくに電力のピーク対策に努めるべき時間帯として、7月〜9月と12月〜3月の8時〜22時を全国一律で指定。この時間帯における電力使用量削減への努力を、相対的に高く評価する新たな原単位の評価指標を導入しています(図1②参照)。

これまでの「省エネ法」の考え方は季節や時間帯は関係なく、結果的に年間のエネルギー消費原単位が減っていれば良いというものでした。しかしそれだけでは、夏期と冬期の昼間に集中する電力需給の逼迫は解決できません。そこで削減努力をすべき時期と時間帯を明確に定めることで、電力の需給バランスの安定につなげようというわけです。

そのために取り組むべき指針(※)を示したことも、「改正省エネ法」の大きなポイントです。具体的な電力のピーク対策としては、燃料の「チェンジ」、時間帯の「シフト」、計測管理の徹底などによる「カット」の3つ(図2参照)です。

「チェンジ」は系統電力の代替となる手段の導入。天然ガスへの燃料転換、ガスコージェネレーションシステム(以下コージェネ)、ガス空調、太陽光発電などが、これに当たります。

「シフト」は電力を使用する時間帯をずらすことで、ピークの緩和につなげるというものです。工場で電力消費量の多い機器の稼働時間を変更する、夜間に蓄電池に蓄えておいた電力を昼間に使うといった策があります。「カット」は電力使用状況を「見える化」するEMS(Energy Management System)や、電力平準化に資するサービスなどを活用し、ムダをなくすことです。
(※)正式名称は「工場等における電気の需要の平準化に資する措置に関する事業者の指針」

天然ガスが担う役割が拡大 業界一体の取り組みに期待

大切なのは、電力需給バランスの安定と省エネを両立させること。その点、天然ガスによるエネルギーシステムには優れたものが揃っています。コージェネは電気と熱を同時につくり、高効率でムダのないエネルギー利用を実現します。また、太陽光や太陽熱など再生可能エネルギーとの親和性が高いという特性もあります。

ガス空調についても、近年は効率が目覚ましく向上していると聞いています。これからの電力のピーク対策において、これらの天然ガスによるシステムが中心的な役割を果たしていくことに大いに期待しています。

より高効率なシステムを提供できるよう、ガス事業者や機器メーカーが一体となった技術開発にも、ますます力を注いでほしいと考えています。

国と民間が手を取り合い省エネとピーク対策の強化を

この4月には2020年を見据えた「第4次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。そこにおいても省エネや電力のピーク対策の推進および、天然ガスの活用が明記されています。

国としても具体的な支援措置を設け、民間の取り組みを後押ししています。たとえば「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」は、省エネに資するエネルギー設備の更新にかかる費用の一部を支援します。加えて電力のピーク対策に資する設備導入についても、支援を行っていきます。

また、「省エネルギー対策導入促進事業費補助金」では中小の事業者を対象に、無料の省エネ診断も行っていますので、積極的に活用してもらいたいと思います。

今後もますます省エネを推進すると同時に、電力需給バランスの安定に向けた取り組みを、官民一体となって進めてまいります。

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